『私にふさわしいホテル』柚木 麻子 | 愛しき言葉(ウツクシキコトノハ)

愛しき言葉(ウツクシキコトノハ)

私の心に響いてきた言葉

私の心から紡ぎ出される言葉

私にふさわしいホテル

柚木 麻子


文学新人賞を受賞した加代子は、憧れの〈小説家〉になれる……
はずだったが、同時受賞者は元・人気アイドル。
すべての注目をかっさらわれて二年半、
依頼もないのに「山の上ホテル」に自腹でカンヅメになった加代子を、
大学時代の先輩・遠藤が訪ねてくる。
大手出版社に勤める遠藤から、
上の階で大御所作家・東十条宗典が執筆中と聞き――。
文学史上最も不遇な新人作家の激闘開始!



ひゃぁ
1月から書いていないものが山ほど!

この本はね、最近時々読んでいる柚木 麻子著書なのと、
思い出のホテルが舞台だったから即決した本。

私もあの日、こここそが「私にふさわしいホテル」だ!と思ったのだ


ここに描かれているホテルの中の風景や
スタッフの気遣い、そういったものすべてが
3年前のあの日々を思い出せてくれた

小さいけれど、
豪華絢爛ではないけれど、
ホスピタリティに溢れるホテルだった

ううん
ホスピタリティという言葉よりも
思いやりという言葉がぴったりかもしれない

プランナーの方も親切で、
自分も結婚を控えていたのに、
きっと、本当はもう少し早く仕事を辞めて
彼のもとへ行く予定だったかもしれないのに、
最後まで私たちのサポートをしてくれた
サプライズの準備のために一緒に協力してくれたらしい

来てくれた人みんなが、口をそろえて「ごはんが美味しかった」と言ってくれた

また「帰りたい」と、そう思えるホテルだった

この小説は、なかなかどうにも、
落ち着いてホテルに滞在できなかったようだけど……

この作者となんとなく育った環境が似ている気がする
お母さんが好きなものとか?
男性を表現するのに「加藤和彦の若いころのような」なんんてフレーズ、
なかなか出てこないよなぁと